耐水圧・透湿性の意味は?耐水圧・透湿性の高い素材についても解説
耐水圧・透湿性の意味は?耐水圧・透湿性の高い素材についても解説
水に強いワークウェアの作製を検討する中で「耐水圧」という言葉を見聞きし、意味が気になった方も多いのではないでしょうか。雨に耐えられるオリジナルのワークウェアなどを作製したい場合は、「耐水圧」や「透湿性」などの意味を理解することが大切です。
この記事では、耐水圧・透湿性の意味や、水に強いワークウェアに使用されている代表的な素材を解説します。悪天候であっても快適に使えるワークウェアを作りたい方はぜひ参考にしてください。
耐水圧とは、水濡れに対する生地の性能を表す数値です。生地の耐水圧が高いほど、より大きな圧力で接する水の浸透を防げます。
耐水圧はmmもしくはkPa(キロパスカル)の単位で表されることが一般的です。1cm四方の筒を生地に対して垂直に立てて水を注ぎ、生地から漏れることなく筒の中に入った水位が耐水圧を表す数値となります。たとえば、筒内に30cm水を溜めることができれば、耐水圧は300mmとなる計算です。
レインコートなどの水濡れを防ぐウェアでは、タグに耐水圧の数値が記載されています。
1-1.雨に耐えられる目安
水濡れを防ぐためには、耐水圧の高い生地を用いたウェアが必要です。以下では、耐水圧の数値ごとに耐えられる雨の強さを紹介します。
耐水圧 | 雨の強さ |
---|---|
300mm | 小雨 |
2,000mm | 中雨 |
10,000mm | 大雨 |
20,000mm | 嵐 |
強風を伴うような激しい雨が降った場合は、ウェアの表面に大きな圧力が加わるため、より高い耐水圧が必要となります。
ただし、耐水圧の数値はあくまでも目安です。ウェアに表示されている耐水圧の数値は、使用回数が少ない時点での防水性能を表します。そのため、摩擦や経年劣化などによって耐水圧が下がる恐れがある点に注意しましょう。
また、ウェアを着用した状態で濡れた場所に座ったり、膝をついたりした場合は接地面に圧力が加わるため、部分的な水濡れが起きやすくなります。悪天候下で生地に体重が加わるような使い方をする場合は、より高い耐水圧が求められます。
1-2.防水と撥水の違いとは?
防水とは生地に水を通さないようにする加工を、撥水とは生地の表面で水をはじく加工を示します。
防水生地は、合成ゴムや塩化ビニルなど水を通さない素材で作られることが一般的です。また、生地の細かな隙間を樹脂などで埋めることで、防水加工が施される場合もあります。防水生地は強い雨でもほとんど水を通しません。
撥水生地は、生地表面にフッ素やシリコンなどが薄くコーティングされていることが一般的です。フッ素やシリコンは水となじみにくい素材のため、撥水加工を施された生地の表面では水が玉状となって転がります。
ただし、表面のコーティングが剥がれたり、強い雨にさらされたりした撥水生地は、水を通しやすくなります。また、霧状の細かい水滴も撥水のコーティングを通り抜けて浸透しやすい傾向です。
透湿性とは、生地の内側から外側へ水分を逃がす性質です。透湿性が高い生地で作られたウェアは、汗をかいても蒸れにくく快適に着用できます。
生地に透湿性が全くない場合は、ウェア内部が蒸れやすくなります。そのため、水に強いワークウェアを作る際は、外部から浸透する水を防ぎつつ内部の水蒸気は放出する素材を選ぶことが大切です。
透湿性の度合いは、1日あたりに生地が透過できる水分量で表されます。
2-1.【シーン別】1日あたりの発汗量
体をよく動かすほど、1日あたりの発汗量は増えます。下記では、活動シーンによる発汗量の目安を紹介します。
活動シーン | 発汗量 |
---|---|
安静にしているシーン | 約1,200g |
軽い運動をしているシーン | 約12,000g |
激しい運動をしているシーン | 約24,000g |
安静にしていても人間の体は常時発汗しており、デスクワークなどを行っている人の1日あたりの発汗量は約1,200gが目安です。ただし、体形や気温などの条件によって発汗量は異なります。
ワークウェアを作る際は、1日あたりの発汗量に応じて透湿性の高い生地を選ぶことが大切です。
たとえば警備員などのように、動く頻度は少ないもののウェアの蒸れを防ぎたい場合は、1日あたり5,000g以上、可能ならば8,000g以上の水分を放出する性能が求められます。
また、現場作業などワークウェアを着た状態で仕事をすることが多い場合は、最低でも1日あたり10,000g以上、可能なら20,000以上の透湿性が必要です。
3.耐水圧・透湿性の高い素材
水濡れに強いハイスペックなワークウェアには、耐水圧と透湿性を両立した生地素材が使われています。「ゴアテックス(R)」や「ディアプレックス(R)」などが、代表的な高機能素材です。
ここでは、ゴアテックス(R)やディアプレックス(R)の特徴について解説します。
3-1.ゴアテックス(R)
ゴアテックス(R)は、異なる機能を持つ2~3層の素材を組み合わせて作られた生地です。「ゴアテックス(R)メンブレーン」と呼ばれる特殊なフィルムが、高い耐水圧と透湿性を発揮します。
ゴアテックス(R)メンブレーンは非常に小さな網目状の構造を持つ耐水性フィルムです。網目のサイズは液体の水を通さず、気体となった水蒸気のみを通過させるように設計されています。雨水はゴアテックス(R)メンブレーンの層で阻まれるため、一般的な雨量ならウェアの内部が濡れてしまう心配がありません。
また、表地に撥水性があることもゴアテックス(R)の特徴です。水滴はゴアテックス(R)の繊維表面ではじかれるため、水蒸気の通り道が十分に確保された状態となります。
ゴアテックス(R)を着用すると風を防ぐことも可能です。冷たい風が体に直接あたることを防いでくれるため、冬場でも体温が下がりにくく快適に活動できます。
3-2.ディアプレックス(R)
ディアプレックス(R)は、ゴアテックス(R)とは異なる仕組みで高い耐水圧と透湿性を実現した素材です。「ウレタン系形状記憶ポリマー技術」が用いられており、気温によって浸透性が変化してもウェア内を快適に保つことができます。
素材に細かな穴が開いていない代わりに、温度によって分子間の隙間が変化する点がディアプレックス(R)ならではの特徴です。
温度が低い状態では分子間の隙間が閉じ、ウェア内部の水蒸気を外に逃がさないことで体温の低下を防ぎます。一方、温度が高くなると熱運動によって分子間に隙間ができるため、蒸れを防ぐことが可能です。
また、ディアプレックス(R)には結露防止機能も備わっています。寒い冬であってもウェアの表面に結露が起きにくいため、快適に野外活動ができることがディアプレックス(R)の魅力です。
耐水圧が高く、透湿性にも優れたオリジナルのワークウェアを作りたい場合は「Nippi」をぜひご利用ください。
Nippiは創業から約50年の間に、3,000社以上へワークウェアを納入してきた実績を持つ国内メーカーです。企業ごとのニーズに合わせて、生地選定やデザインなど細かなリクエストに応える製造技術を持っています。
また、オリジナルのワークウェアを作製する際に、経験豊富な担当者が丁寧にヒアリングを行う点もNippiの強みです。ウェアを使用する環境やロット数、コストなどの条件を踏まえて最適なワークウェアを提供します。
さらに、スタッフの結束力を高める刺繍やワッペンなどのデザインも可能です。自社だけのワークウェアを作製したい方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
生地の耐水圧とは、水の浸透を妨げる性能を表す数値のことです。耐水圧が高い生地で作られたワークウェアは、水に濡れやすい現場でも使用できます。
また、生地の性能を表す数値として、透湿性も重要な指標です。透湿性が高い生地には、発汗時により多くの水分を外に逃がす働きがあります。
耐水圧や透湿性の高い素材は、「ゴアテックス(R)」「ディアプレックス(R)」などが代表的です。雨風が防げるオリジナルワークウェアを作製したい方は、数多くの実績を持つNippiにぜひご相談ください。
耐水圧・透湿性に関するよくある質問
耐水圧・透湿性に関するよくある質問をご紹介します。
耐水圧とは?
耐水圧とは、水濡れに対する生地の性能を表す数値です。
生地の耐水圧が高いほど、より大きな圧力で接する水の浸透を防げます。
防水と撥水の違いとは?
防水とは生地に水を通さないようにする加工を、撥水とは生地の表面で水をはじく加工を示します。
防水生地は、合成ゴムや塩化ビニルなど水を通さない素材で作られることが一般的です。
また、生地の細かな隙間を樹脂などで埋めることで、防水加工が施される場合もあります。防水生地は強い雨でもほとんど水を通しません。
透湿性とは?
透湿性とは、生地の内側から外側へ水分を逃がす性質です。
透湿性が高い生地で作られたウェアは、汗をかいても蒸れにくく快適に着用できます。
耐水圧・透湿性の高い素材とは?
耐水圧・透湿性の高い素材としては以下の2種類が挙げられます。
・ゴアテックス(R)
・ディアプレックス(R)
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