雨の日に大活躍!蒸れないカッパを購入する際のポイント・お手入れ術
雨の日に大活躍!蒸れないカッパを購入する際のポイント・お手入れ術
悪天候下に傘なしでも外の作業をスムーズに進めるためには、カッパの着用が欠かせません。ただし、カッパを着用して雨に濡れることを防いでも、内側が自分の汗で蒸れてびっしょり濡れてしまっては本末転倒となります。作業服として着るカッパは、ファッション性よりも機能性を優先し選択することが重要です。
今回は、雨天時におすすめの作業用カッパの種類や特徴と選び方のポイント、カッパを長持ちさせるためのお手入れ術を解説します。蒸れないカッパの目安となる「透湿性」についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
1.雨天時におすすめ!作業用カッパの種類
一口にカッパといっても、種類によって特徴やメリットが異なります。カッパを選ぶ際にはカッパの種類や特徴を理解することが大切です。
雨天時に活躍する作業用カッパには、以下の3種類が挙げられます。
●一般的な作業用カッパ |
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日常生活からアウトドア、建設現場まで幅広く使用されるタイプの安価なカッパです。レインコートタイプの多くはカッパに含まれます。動きやすさを重視しているため、ストレッチ性の高い素材で作られていることが一般的です。蒸れやすいという欠点はあるものの、雨対策用には十分な機能を発揮します。
【特徴】
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●レインウェア |
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一般的な作業用カッパより防水性と透湿性を高めた、少し高価なカッパです。上下セットのデザインが多いため激しい動きにも対応でき、自転車やバイクでも濡れません。また、透湿性も高く作業中の蒸れや汗を抑えることが可能です。
【特徴】
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●防寒・防水ジャケット |
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防水性の高さに加えて防寒性を兼ね備えています。ハードな環境にも対応できる性能を持たせているため、豪雨や豪雪時に活用されるカッパです。
【特徴】
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作業用カッパは、作業時の環境によって重視すべき性能が異なります。下記5つのポイントを参考に、「どのような場所やシーンで使用するか」を考慮して選びましょう。
●耐水性・防水性 | |
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雨に降られても水に濡れない耐水性・防水性は、カッパにとって最も重要な機能です。カッパの耐水性・防水性の高さは、耐水圧(単位:「mmH2O」)の数値で確認できます。 | |
300mmH2O | 小雨程度なら問題なし |
3,000mmH2O | 中雨対応・おおよその屋外作業がこなせる |
5,000~10,000mmH2O | 大雨対応・ほぼ全ての作業に使用可能 |
20,000mmH2O | 嵐対応・雪山の登山などに使用可能 |
●透湿性 | |
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暑い日や長時間カッパを着て作業する場合は、汗や湿気による蒸れにくさも重要です。カッパの透湿性は透湿度(24時間で排出可能な水分量の目安)の数値で確認できます。 | |
5,000g | 軽く動く程度なら蒸れにくい |
8,000g | 軽作業でも蒸れにくい |
10,000g | しっかり動いてもべたつきにくい |
15,000g~ | 激しく動いてもべたつきにくい |
●耐久性 |
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工事現場など、擦れたり引っかかったりする状況が多数ある場所で使用する場合は、カッパの耐久性が重要です。カッパに使われている生地の丈夫さに加え、擦れやすい肩や肘などの部分が補強されているカッパを選びましょう。 |
●ストレッチ性 |
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カッパを着用したまま大きく動き回る場合は、生地のストレッチ性も重要です。特に肘・膝部分をスムーズに曲げられるゆとりと伸縮性があるか確かめましょう。関節部分を補強し曲げやすくデザインしたカッパも珍しくありません。 |
●視認性 |
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雨天時、特に夜間は視界が悪くなるため、遠くからでも視認できる安全性の高さが重要です。360度どこからでも存在が認識されるよう、全身にくまなく反射材が配置されたデザインを選びましょう。死角がある場合は反射テープで補うことも大切です。 |
3.作業用カッパの蒸れを防ぐためには?
カッパは「水を通さない」ことが前提に作られているため、作業中にかいた汗や袖部分から入り込んだ水気といった内側からの水も逃しにくい欠点があります。蒸れを防ぐためには、カッパの形状にも注目しましょう。
●大きめサイズのカッパを選ぶ |
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作業着などの上から着用するカッパは、厚めの服を着てもゆとりがある二回りほど大きめのサイズを選びましょう。生地と身体の間にある程度の隙間があり、空気を通すことができればカッパは蒸れにくくなります。 |
●袖口が締まっており、雨を通さないカッパを選ぶ |
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作業用カッパの快適性には、蒸れないだけでなく濡れないことも重要です。袖口をゴムやひもで窄めて密着できれば、作業中に腕を上げた際も雨や水しぶきの侵入を防げます。 |
●軽作業の場合はポンチョタイプを選ぶ |
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上からストンと被るだけのポンチョタイプは通気性が抜群です。大きく足を動かさず短時間で済む作業の場合は、十分に雨を防げます。大きめのサイズを選べば自転車でも濡れません。 |
作業用カッパに蒸れ防止の対処を行っても悩みが解決しない場合は、蒸れにくく作られたカッパを購入してはいかがでしょうか。蒸れないカッパを購入したい場合、さまざまな機能の中でも「透湿性」を重視して選ぶことがおすすめです。
ここでは、「透湿性」に優れたカッパの特徴・メリットや透湿度の目安を解説します。
4-1.透湿性の特徴・メリット
カッパの蒸れにくさを表す「透湿性」とは、水分が水滴以上の状態となった場合は生地を通さず、水蒸気は自由に出入りさせる性質のことです。
カッパの着用中、外からの雨は防いだにもかかわらず「内側が蒸れたために結局汗だくになってしまった」という経験はないでしょうか。カッパが蒸れる原因は、身体から出る水蒸気状態の汗が空気中へ放出されず、カッパの内部で熱気とともに留まり続けることにあります。
透湿性を備えたカッパであれば、雨からはしっかりとガードしつつ身体から排出された水蒸気を外に逃がすことが可能です。カッパを選ぶ際は、耐水性・防水性だけでなく透湿性も重視することで、快適に作業が行えます。
4-2.透湿度の目安
作業時に着用するカッパは、活動量と見合った透湿性を備えていなければなりません。カッパが備える透湿性の指標は、透湿度で表されます。透湿度とは、「24時間経過したとき、1m2あたりの生地が通す水の総量」を計測した数値です。
下記は、一般的な大人が1時間活動した場合にかく汗量の目安となります。
状態 | 汗量の目安(1時間あたり) |
---|---|
大人が安静にしていた場合 | 約50g(24時間で約1,200g) |
大人が軽い運動をした場合 | 約500g(24時間で約12,000g) |
大人が激しい運動をした場合 | 約1,000g(24時間で約24,000g) |
カッパの透湿度は、「g」単位で表示することが大半です。蒸れにくいカッパを購入する場合は、最低でも5,000g、可能であれば8,000g以上ある商品を選ぶとよいでしょう。
5.作業用カッパを長持ちさせるためのお手入れ術
どれほど高機能なカッパも、使いっ放しの状態で放置すると次第に性能が低下します。
作業用カッパの性能が低下する理由は、主に5つです。
- 撥水加工が剥がれる
- 摩擦によって生地が傷つく
- 生地が汚れる
- 繊維の隙間に皮脂汚れが詰まる
- 生地の縫い目がほつれる
カッパを長持ちさせるためには、下記の注意点を守りつつ、毎回のお手入れを怠らないようにしましょう。
- カッパの洗濯表示に従い、表裏ともに汚れを洗い落とす(汚れが軽い場合はシャワーで流すだけでも可)
- 揉み洗いはしない
- しっかりとすすぐ
- 絞らない・脱水機にかけない
- 風通しのよい日陰で十分に乾かす
- あて布をし、中温のアイロンをかけ撥水性能を回復させる(ドライヤーでも可)
- 撥水力が落ちてきた場合は撥水剤を使用する
- 取扱い上の注意をよく読み、正しい保管方法を守る
- 持ち運ぶとき以外は収納袋に入れない
カッパは正しい方法で保管すると、耐久力や撥水・耐水性能の寿命を延ばすことができます。
雨の日の作業用カッパの取り扱いに関するよくある質問
雨の日のカッパの取り扱いに関するよくある質問をご紹介します。
雨天時におすすめの作業用カッパの種類は?
雨天時に活躍する作業用カッパには、以下の3種類が挙げられます。
- 一般的な作業用カッパ
- レインウェア
- 防寒・防水ジャケット
作業用カッパを選ぶ際のポイントは?
作業用カッパを選ぶ際には以下の5つのポイントを押さえましょう。
- 耐水性・防水性
- 透湿性
- 耐久性
- ストレッチ性
- 視認性
作業用カッパの蒸れを防ぐには?
作業用カッパの蒸れを防ぐためには以下の3つを意識しましょう。
- 大きめサイズのカッパを選ぶ
- 袖口が締まっており、雨を通さないカッパを選ぶ
- 軽作業の場合はポンチョタイプを選ぶ
まとめ
雨天時に活躍するカッパは、作業量や動きの大きさ、雨の激しさに見合った機能性を選ぶことが大切です。カッパの種類や形状だけでなく、耐水性や耐久性、ストレッチ性なども考慮して夜間でも視認性の高いデザインを選びましょう。
カッパを選ぶ際に特に重視すべき機能が透湿性です。蒸れないカッパを選ぶ際は、最低でも1時間あたり5,000g以上の透湿度が必要です。カッパを購入した後は、性能の低下を防ぐためにも使う度のお手入れを忘れないようにしましょう。
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