現場監督が着用するべき服装とは?夏の暑さ対策も解説
現場監督が着用するべき服装とは?夏の暑さ対策も解説
現場監督の服装には規定がなく曖昧なため、どのような服装が適切なのか迷う人は少なくありません。現場監督の服装は、シーンに応じて変えるのが一般的です。とはいえ、利便性を重視して複数枚着用すると、夏場は熱中症など体調不良を起こす原因になるため工夫する必要があります。
今回は、現場監督が着用するべき服装について、シーン別に解説します。暑さ対策の方法や女性と男性での服装の違いなどもあわせて紹介するので、現場監督で服装に悩んでいる人はぜひお役立てください。
1.服装の規定が曖昧で難しい現場監督
一般的に、現場監督が仕事中に着用する服装は、明確な慣習や規則が決まっていません。曖昧な部分が多いため、どのような服装が適しているのか判断に迷う人も多いでしょう。
仕事中に取引先の対応をする機会がある現場監督は、現場で働く作業員のように常に作業着を着用することが望ましいとは言えません。一方で、現場での安全性を考慮すると、営業職や事務職のように常にスーツを着用することも避けたほうがよいでしょう。
以下では、一般的に現場監督の服装として適しているとされる基準を、現場にいる時と通勤している時に分けて紹介します。
1-1.【現場にいる時】作業着
現場監督が現場にいる時は、ワイシャツとネクタイの上に作業着を着るのがおすすめです。現場では、作業着とヘルメットを着用するのが基本です。作業着の下にワイシャツとネクタイを着用しておけば現場で動きやすく、顧客対応時にも失礼な印象を与えにくいでしょう。
ただし、作業着よりもスーツの着用が向いているケースもあります。例えば、現場監督になったばかりの時期や着工当初の打ち合わせが多い時期などは、スーツを着用することで、より丁寧な対応を印象付けられます。服装の判断に迷った際は、上司や先輩の現場監督に指示を仰ぐとよいでしょう。
1-2.【通勤している時】スーツ
現場監督が通勤する時は、スーツの着用が一般的です。特に、電車やバスなどの公共交通機関を利用して通勤する場合、作業着姿で通勤することは好ましいとは言えません。
作業着は、砂ぼこりや汚れが付着しやすい職種で多く着用されます。そのため、きれいに洗濯されていたとしても、近くにいる乗客が「自分の服に汚れがついてしまうのでは」と不安を感じる可能性があります。
現場責任者の立場から考えても、周りの乗客に不安を与えないようスーツを着て通勤することが望ましいでしょう。
なお、車通勤などで公共交通機関を利用せず現場に直行する場合は、作業着のまま通勤しても問題ありません。
2.現場監督が服装に配慮する意義
現場監督は、仕事中の作業服であっても身だしなみをきちんと整えて働きましょう。服装に配慮することで、以下のようなメリットがあります。
(1)顧客の信頼を高められる
仕事をする上で、服装や身だしなみから受ける印象は大きいと言えます。現場を統率する現場監督は現場全体の印象を左右するため、きちんとした服装をしなければなりません。
現場監督が乱れた服装をしていると、顧客や業者にだらしない印象を与えてしまいます。「現場の指導や安全管理ができているのか」と不安を感じ、信頼関係に影響が出る可能性もないとは言えません。現場監督が常に整った服装で仕事をすることで、顧客や業者からの信頼を得ることができます。
(2)作業員の仕事や安全に対する意識を向上できる
現場監督が作業員の見本となる正しい服装をすることで、作業員の仕事や安全に対する意識向上につながります。「安全帯やヘルメットを正しく装着する」「作業服や安全靴をきちんと着用する」など、率先して現場監督が取り組むと、作業員の身だしなみに対する意識も同様に高まるでしょう。
結果として現場全体の仕事や安全に対する気持ちを引き締め、事故の防止につながります。
(3)建設業界に対するイメージを向上できる
現場監督は、現場の代表とも言える立場です。まずは現場監督が清潔感のあるきちんとした服装をして、建設業界に対するイメージアップを図りましょう。
現場監督の服装が乱れていたり汚れたまま放置したりしていると、現場を見た第三者に不信感を与え、建設業界のイメージダウンにつながりかねません。汚れがつきやすい現場だからこそ、身だしなみには一層の注意が必要です。
3.夏場における現場監督の服装は暑さ対策が必須
夏場における現場監督の服装を考える際、暑さ対策は欠かせないポイントです。
安全面の理由から、基本的に現場では肌の露出を控えた長袖を着用することが求められます。さらに現場監督はワイシャツの上に作業服を羽織るため、暑さ対策を怠ると熱中症リスクが高まる点に注意が必要です。
ここでは、夏場の暑さ対策として現場監督におすすめの服装を解説します。
3-1.夏用の涼しい素材の作業着を着用する
暑い時期は、接触冷感素材や通気性の高い素材を使った作業着を着用するのがおすすめです。
接触冷感素材とは、触れた時に冷たく感じる機能性素材です。触れた部分の熱が素材に移動するとひんやりと冷たさを感じます。インナーや肌に触れる部分に接触冷感素材を着用すると、より効果を実感できるでしょう。
また、薄手で通気性のよい春夏用の作業着は、湿気を逃がしやすく汗によるムレや不快感の解消に役立ちます。より快適に夏を乗り切るために、素材にこだわって着用する作業服を選びましょう。
3-2.空調服を着用する
空調服の着用も、熱中症対策として有効です。空調服は、服の内側に向かって風を送り込むファンが付いており、風を循環させて作業服内の熱を放出しやすい構造になっています。作業服内に熱がこもりにくい特徴があるため、夏場でも快適に作業できるでしょう。
ただし、ホコリや粉塵が多い現場、火花が散るような現場での使用は、故障の原因となる可能性があるため注意が必要です。
4.【現場監督】女性と男性での服装の違い
女性が現場監督になった際、性別によって現場監督の服装に違いがあるか気になる人もいるでしょう。現場監督の服装については、男性と女性で大きな違いはないと考えて問題ありません。
男性と同様に女性の現場監督も、状況に合った服を着用することが大切です。現場にいる時は作業着の下にスーツを着用し、いつでも顧客や取引先に対応できるように備えましょう。
電車やバスなどの公共交通機関を利用して通勤する時は、作業着での通勤は避けます。周りの乗客への影響を考慮し、公共交通機関を利用する際はスーツを着用しましょう。
4-1.女性の現場監督が服装で注意するべきポイント
女性の現場監督が着用する服装について注意するべきポイントは、勤務する会社によっては男性用の作業着しか支給していないケースがあることです。建設現場で働く人は男性の割合が高いため、会社に女性用の作業着がない場合もあります。
現在は、女性施工管理職の登用が進みつつあり、販売されている女性用作業着の種類も増えています。しかし「デザインや機能が充実していない」などの理由で、あえて男性用の作業着を着用している女性も少なくありません。
男性用作業着は、女性が着用することを想定して作られていません。素材や色によって下着が透ける可能性がある他、サイズが合わない作業着は動きにくく、ケガの危険性も高まります。
男性用作業着を女性が着用することは、避けたほうがよいでしょう。男性用作業着しか支給されない場合は、女性用作業着を手配してもらえるよう相談するのがおすすめです。
まとめ
現場監督の服装に明確な決まりはありませんが、現場にいる時と通勤している時で服装を変えるのが一般的です。現場にいる時は作業着の下にワイシャツとネクタイを着用し、公共交通機関を利用して通勤する時は周囲への配慮としてスーツを着用しましょう。
夏場は熱中症などのリスクがあるため、暑さ対策が必須です。夏用の素材のインナーを着る、空調服を活用するなどの工夫が求められます。
現場監督の服装は、男女で違いはありません。ただし、男性用作業着は多機能なものの女性が着用することを想定していないため、動きにくさを感じる可能性があります。また、サイズがない場合もあるため、会社に男性用作業着しかない場合は相談し、適切な作業着を支給してもらいましょう。