ケーシー・スクラブと白衣の違い|メリットや選ぶ際のポイントを解説
ケーシー・スクラブと白衣の違い|メリットや選ぶ際のポイントを解説
医療系施設で働くスタッフのユニフォームは、白衣・スクラブ・ケーシーの3種類から選択されるケースが一般的です。それぞれ、見た目の印象や兼ね備えた機能面が異なるため、どのスタッフにどの制服を割り当てればよいか迷う人は少なくありません。
この記事では、白衣・スクラブ・ケーシーの違いとそれぞれのメリット、医療機関の制服として選ぶ際のポイント、シワになりにくいお手入れ方法を紹介します。自院に合った制服を選んで患者さんからの印象をよくしたいと考える人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 白衣・スクラブ・ケーシーの違いとは?それぞれのメリットも
病院や診療所の多くでは、スタッフの制服として白衣・スクラブ・ケーシーのいずれかが採用されています。スタッフが着用する制服によって、機能性や患者さんに与える印象が大きく異なるため、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
ここでは、白衣・スクラブ・ケーシーの特徴とメリットを解説します。
1-1. 白衣
白衣とは、主に医師や研究スタッフが着用する長袖の医療ウェアです。「ドクターコート」とも呼ばれ、医療機関の制服ではもっともフォーマルな印象を与えます。看護師やコメディカルスタッフが着用することは、滅多にありません。
白衣という名の通り、白色のコートが多いものの、患者さんへの圧迫感を和らげる目的で色つきの白衣が採用されることもあります。膝まであるスタンダードなロングコート型以外にも、お尻の下までのショートコート型、腰丈のジャケット型など、バリエーションは豊かです。
【白衣のメリット】
- 清潔感・信頼感・安心感を与えやすい
- 一目で医者だと分かる
- 気持ちを切り替えやすい
- ポケットが大きく、聴診器などをしまえる
1-2. スクラブ・ケーシー
スクラブとは、襟ぐりがVネックになっており、腰丈・半袖のデザインが主流の医療用ウェアです。医療機関の制服では、もっともカジュアルな印象を与えます。以前は手術着として使用されていたものの、実用性の高さとコストパフォーマンスのよさにより、幅広いシーンで採用されるようになりました。
「ゴシゴシ洗う」と言う意味を持つスクラブの名の通り、繰り返し洗濯しても生地が傷みにくく、速乾性が高いことで人気があります。パンツと上下セットの商品が多く、カラーバリエーションの豊かさも特徴です。
【スクラブのメリット】
- 洗濯しやすい
- 職種・担当ごとに色分けしやすい
- 職種・担当ごとに色分けしやすい
- 着脱が楽にできる
- 比較的安価でそろえられる
ケーシーとは、首元が短いタートルネックのような立ち襟に、肩でボタンを留めるスタイルが主流の医療用ウェアです。腰丈・半袖のデザインが多く、白衣よりはカジュアルでスクラブよりはフォーマルな印象を与えます。
丈が短くストレッチ性が高いことから動きへの制限が少ない上、スマートな見た目でも人気があるウェアです。アメリカのテレビドラマ「ベン・ケーシー」で使用された衣装が名前の由来となっています。
【ケーシーのメリット】
- インナーを選ばずに着れる
- 動きやすさと見た目のスッキリさを両立している
- 年齢・性別を選ばず着れる
- カラーバリエーションが豊富
スクラブとケーシーともにコート型の白衣より動きやすく、威圧感の少ないことが特徴です。そのため、医師だけでなく看護師や作業療法士などのコメディカルスタッフの制服としても好まれる傾向にあります。また、医療機関以外に、エステサロンや接骨院の施術スタッフも着用することが多い制服です。
白衣・スクラブ・ケーシーの選び方には、さまざまなポイントがあるものの、無難に周囲で多く採用されている製品を購入する医療機関は少なくありません。しかし、自院の職務傾向と合う制服を厳選することで、患者さんやスタッフの満足度を高めることが可能です。
ここでは、白衣・スクラブ・ケーシーを選ぶ際の特に重要なポイントを3つ解説します。
2-1. 機能性
医療機関の制服で重要な機能性は、「衛生面」と「作業効率」の2つです。下記は、衛生面を考えた機能性で注目すべきポイントとなります。
- 制菌性
- 防汚性
- 撥水性
- 制電性
医療機関の制服として使用する場合、有害な菌の繁殖・増殖を抑制する「制菌性」は特に重視しなければなりません。制服の制菌性は、SEKマークの表示で確認できます。医療機関で使用する場合は、MRSAの抑制効果が認められている「赤」を選ぶとよいでしょう。
汚れがつきにくくなる「防汚性」や汚れが落としやすくなる「撥水性」も、清潔さを保たなければならない医療機関では重宝します。また、精密機器を取り扱うスタッフの場合は、「制電性」があると便利です。
下記は、作業効率を考えた機能性で注目すべきポイントとなります。
- 機動性
- 着脱性
- 吸汗性
- 速乾性
仕事がハードな医療現場では、制服の「機動性」が重要です。特に身体と密着状態で着用するスクラブやケーシーは、伸縮性に優れた素材を使用したウェアを選ぶと着脱性も上がります。
着心地のよさでは綿製のウェアに軍配が上がるものの、機能性においてはポリエステルなどの化学繊維が優秀です。職務ごとにどの程度の機動性や快適性が必要かを考えて、素材の機能性を選びましょう。
2-2. デザイン
スタッフの服装によって患者さんが自院に抱く印象が大きく変化するため、制服のデザインは重要です。下記は、制服のデザインで注目すべきポイントとなります。
- 透け感
- スタイル
- ポケット
白や淡い色合いのウェアや夏場に心地よい薄手の生地は、制服の下が透けやすい傾向です。下着などが透けて見える制服は患者さんからの印象もよくないため、透けにくい生地や少し厚手の生地を選ぶとよいでしょう。どのような体型のスタッフが着ても、シルエットがある程度スッキリと見えるタイプのデザインや、着丈・サイズを選ぶことも重要です。
また、職務に必須となる小物類をしっかりと収納でき、見苦しくならない大きさ・数のポケットがついているかも確認しましょう。
2-3. 色
スタッフがどの色の制服を着ているかで、見る患者さんの心理状態やスタッフに対する印象も左右します。絶対的ではないものの、人は特定の色彩に一定のイメージを抱きやすい傾向です。そのため、内装やインテリアなどと同様に、自院のイメージに合った色の制服を選ぶとよいでしょう。
以前の医療機関で使用される制服は、ほぼ白一色でした。しかし、「白衣=医者」というイメージの影響で患者さんが緊張しやすかったり、圧迫感を感じたりすることに配慮し、カラフルな制服を採用する医療機関が増えています。長時間同じ色を注視することで起こる「補色残像」を緩和する目的でも、手術室の配色には赤の補色に当たる緑や青が採用される傾向です。
また、白は清潔感を与える反面、汚れが目立ちやすいといった欠点もあることから、デザイン的な要素以外でも制服に白以外のカラーが選ばれやすくなっています。
3. シワになりにくい白衣・スクラブ・ケーシーのお手入れ方法
白衣・スクラブ・ケーシーのお手入れでは、シワを作らないことが大切です。洗いたての制服でも、シワがついているだけでどことなく不潔に見えたり、患者さんからの印象が悪くなったりします。自宅などで洗う場合は、下記の手順で行うと比較的シワができにくい傾向です。
(1) | 中性洗剤と40度のお湯で30分~1時間ほどつけ置きする |
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(2) | 洗濯ネットに入れて、洗濯機で洗う |
(3) | 風通しのよい日陰で干す |
(4) | 丁寧にアイロンをかける |
菌やウイルスなどの対策が必要な場合は事前に熱湯で消毒したり、つけ置き時の中性洗剤を漂白剤にして殺菌したりしましょう。色移りや汚れ移りを防ぐため、他の洗濯物と分けて洗うことも大切です。また、脱水を軽めにして干すと、水の重さで生地が自然と伸びやすくなります。
最終的にはアイロンでしわを伸ばすしかないものの、できるだけ手間を省きたい場合はシワになりにくい素材や加工のものを選ぶことも選択肢の1つです。素材ならポリエステルが多く含まれている生地、加工ならニット編みやメッシュ加工、形態安定加工などをおすすめします。
ケーシー・スクラブと白衣の違いに関するよくある質問
ケーシー・スクラブと白衣の違いに関するよくある質問をご紹介します。
白衣・スクラブ・ケーシーの違いとは?
白衣とは、主に医師や研究スタッフが着用する長袖の医療ウェアです。「ドクターコート」とも呼ばれ、医療機関の制服ではもっともフォーマルな印象を与えます。看護師やコメディカルスタッフが着用することは、滅多にありません。
スクラブとは、襟ぐりがVネックになっており、腰丈・半袖のデザインが主流の医療用ウェアです。医療機関の制服では、もっともカジュアルな印象を与えます。以前は手術着として使用されていたものの、実用性の高さとコストパフォーマンスのよさにより、幅広いシーンで採用されるようになりました。
白衣・スクラブ・ケーシーを選ぶ際のポイントは?
白衣・スクラブ・ケーシーを選ぶ際には以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 機能性
- デザイン
- 色
シワになりにくい白衣・スクラブ・ケーシーのお手入れ方法は?
白衣・スクラブ・ケーシーのお手入れでは、シワを作らないことが大切です。洗いたての制服でも、シワがついているだけでどことなく不潔に見えたり、患者さんからの印象が悪くなったりします。
まとめ
医療機関の制服に採用されることの多い白衣・スクラブ・ケーシーは、各スタッフが担当する職務に必要な機能性を備えたものを選択することが大切です。同時に、制服によって患者さんからの印象も左右されるため、自院のイメージに沿ったデザインや色を選ぶことも必要となります。
医療機関の制服には、一見して得られる清潔感も重要です。洗濯ごとにアイロンをかける手間を減らしたい場合は、シワができにくい素材や加工で作られた制服を選ぶとよいでしょう。