空調服®は涼しい?涼しく感じない場合の原因も解説

空調服®は涼しい?涼しく感じない場合の原因も解説

屋外で作業をする工事業者や、エアコンなどの空調設備がない、もしくは効きづらい倉庫で働く作業員にとって、真夏の熱中症対策は欠かせません。簡易的な熱中症対策には保冷剤の使用や水分補給が挙げられますが、記録的な猛暑が続く近年では空調服®を導入する企業も増加しています。

しかし、空調服®を実際に着用したことがない人にとっては、「本当に涼しいのか」は疑問に思うところではないでしょうか。また、「空調服®を着用してみたものの、想像していたよりも涼しさを感じなかった」という人も少なからずいるでしょう。

そこで今回は、空調服®は本当に涼しいのか・空調服®を着ても涼しさを感じない原因は何なのか・空調服®をより涼しく着るためにはどうすればよいかを詳しく紹介します。

1. 空調服®は本当に涼しい?

そもそも空調服®とは、電動の小型ファンが取り付けられた作業着(ファン付き作業服)のことです。服に取り付けられた小型ファンが外気を取り入れて体の表面に風を循環させるという仕組みとなっています。

まさに「着る扇風機」と言える空調服®は、株式会社セフト研究所・株式会社空調服の登録商標となっています。そのため、商品によっては「ファン付きウェア」や「空調ウェア」とも称されていることが特徴です。なお、空調服®と聞くと上着のウェアをイメージする人も多くいますが、ズボンタイプの商品もあります。

人は、体温が上昇すると汗をかき、汗が蒸発する際の気化熱が体温を下げる働きをします。空調服®の着用・稼働時は、取り込んだ外気を体の表面に循環しながら汗を気化させ体を冷やすため、エアコンのない屋外でも比較的涼しく快適に過ごせるようになります。汗をかく量も大幅に減少するため、熱中症対策にもなるでしょう。

空調服®は充電式のバッテリーが基本で、連続稼働時間は約4~10時間が平均です。しかし、商品によって細かに異なることも覚えておきましょう。

また、空調服®の形状には長袖タイプ・半袖タイプ・ベストタイプの3つがあり、袖が長ければ長いほど広範囲に風を送ることができる一方、「風がなければ暑い」「稼働時は膨らむため、作業の邪魔になる可能性がある」といったデメリットも生じます。

加えて、高所作業をサポートする安全帯フックハンガー付き(フルハーネス対応)のものや、保冷剤ポケット付きのもの、頭まで涼しさを感じられるフード付きのものなど、機能性も空調服®のメーカー・商品によって異なります。自分の作業現場や作業内容に合わせて、適切な商品を選ぶとよいでしょう。

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2. 空調服®を着ても涼しいと感じない原因

基本的には、空調服®を着用・稼働することで真夏の屋外作業でも涼しく感じられますが、状況によっては涼しさを感じられない場合もあります。空調服®を着用・稼働しているにもかかわらず涼しく感じられない原因には、下記が考えられます。

  • 空調服®のサイズに余裕がない
  • 空気が外に漏れている
  • 空気の流れが妨げられている
  • 汗をかいていない
  • ファン・バッテリーが劣化している

ここからは、それぞれの原因についてより詳しく説明します。

2-1. 空調服®のサイズに余裕がない

空調服®の稼働時は、ファンが外気を取り込んで内部に空気を取り込むため、大きく膨らむことが特徴です。

空調服®のサイズに余裕がない、つまり体の大きさに対して空調服®のサイズが小さければ、体と空調服の間にしっかりと空気を循環できるだけのすき間がなくなり、かえって蒸れる可能性があります。

空調服®を着用・稼働してもさほど涼しさを感じられない場合は、身体とのサイズ感のバランスを見てみましょう。ぴったりサイズよりも、やや大きめを選ぶことがおすすめです。

2-2. 空気が外に漏れている

空調服®のサイズが体のサイズに対して小さすぎると、空気の循環スペースを確保できなくなるため、やや大きめの空調服®を選ぶことが大切です。しかし、大きすぎると次は空調服®の密閉性が低まり、空気漏れが起きる可能性があります。

空気が外に漏れると、内部で風をうまく循環させることができず、一部分しか風が当たらなくなってしまいます。そのため、本来の涼しさを感じることができません。空調服®のサイズ選びは、「小さすぎず・大きすぎない」を目安に選びましょう。

2-3. 空気の流れが妨げられている

空調服®を着用・稼働してもさほど涼しさを感じられなくなったときは、外気を取り込む部分、つまり「空調服®に取り付けられている小型ファンの外側」と、「首元のタオル」をチェックしましょう。

小型ファンの外側にリュックや作業用腰ベルトがあたっている場合、外気の取り込みの妨げとなっている可能性があります。また、首元にタオルを巻いている場合は、空気の排出経路を塞いでしまっていることとなります。

このように、空調服®は空気循環がうまくいかなければ本来の涼しさを感じられません。リュックや作業用腰ベルトは小型ファンにあたらないようずらしたり、タオルはなるべく邪魔にならないようコンパクトにまとめて巻いたりしましょう。

2-4. 汗をかいていない

前述の通り、空調服®は小型ファンから取り込んだ外気を利用して、汗による気化熱を奪って涼しさを感じさせるという仕組みです。そのため、汗をかいていない状態では、汗をかいている状態で空調服®を稼働するよりも涼しさを感じにくくなってしまいます。

しっかりと涼しさを感じたいという場合は、汗をかいてから稼働させるとよいでしょう。

2-5. ファン・バッテリーが劣化している

空調服®は、バッテリーを使って小型ファンを動かす仕組みです。バッテリーやファンそのものが劣化していると出力・風量が衰え、空気循環が悪くなってしまいます。

ここまで紹介したすべての原因にあてはまっていないにもかかわらず涼しさがまったく感じられない場合は、ファン・バッテリーの劣化を疑いましょう。ファン・バッテリーは交換することも可能ですが、メーカーによってそれぞれ互換性は異なるため、事前に確認しておくことがおすすめです。

3. 空調服®をより涼しく着る方法

空調服®は通常通り着用・稼働しても十分に涼しさを感じられますが、着方に少しの工夫を入れることで、さらに涼しく着ることができます。

  • コンプレッションウェアを着用する
  • インナースペーサーを使う
  • 保冷剤を使う

最後に、それぞれの方法を具体的に紹介します。

3-1. コンプレッションウェアを着用する

空調服®の効果をさらに高めるためには、空調服®の中に着用するインナーに工夫するとよいでしょう。特におすすめのインナーが、コンプレッションウェアです。

コンプレッションウェアとは、体に適切な圧力をかける伸縮性の高いウェアです。吸汗性や速乾性の高い生地が特徴的で、屋外で作業をする工事業者やスポーツをする人などにも人気のアイテムとなっています。

適度に着圧がかけられるため、無駄な筋肉の動きがなくなり仕事のパフォーマンスが向上するだけでなく、疲労の軽減効果も期待できるでしょう。

3-2. インナースペーサーを使う

空調服®と体との間にすき間がない場合、空気の循環スペースが確保できないため、本来の涼しさを感じられなくなってしまいます。たとえ空調服®のサイズが適切であっても、フルハーネスを装着したり、大きくて重い荷物を背負ったりしているときはすき間がなくなってしまうケースもあるでしょう。

そこで活躍するアイテムが、インナースペーサーです。インナースペーサーとは、空調服®と体のすき間、主に肩や背中部分の空気の循環スペースを確実に確保できるインナーオプションです。コンプレッションウェアと併用することで、より冷涼効果がアップするでしょう。

3-3. 保冷剤を使う

空調服®をより涼しく着るなら、保冷剤の併用もおすすめです。空調服®の中には、保冷剤を収納できるポケットが搭載されたものも多くあります。保冷剤をポケットの中に収納することで、さらに冷たい空気が空調服®の中を循環します。

しかし、保冷剤は気温が高いと比較的すぐに溶けてしまうため、真夏の場合は外に持ち出してから1~3時間程度で保冷効果が失われてしまう点にも注意しておきましょう。とは言え、溶けた保冷剤は再度冷凍庫に入れて凍らせることで繰り返し使用できるため、1セットは持っておくことをおすすめします。

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まとめ

空調服®とは、電動の小型ファンが取り付けられた作業用ウェアを指します。体の表面に循環しながら汗を気化させ体を冷やすという仕組みをもつ空調服®は、屋外で作業をする工事業者や倉庫作業員にとって、「夏の熱中症対策に欠かせないアイテム」と言えるでしょう。

空調服®は、状況によって本来の涼しさを感じられない場合があります。冷涼効果が薄れてきたと感じる場合は、空気の循環やファン・バッテリーの劣化状態をチェックしてみてください。

また、空調服®をより涼しく着るためには、コンプレッションウェアの着用・インナースペーサーの使用・保冷剤の使用がおすすめです。今回の内容を参考に、ぜひ熱中症対策として空調服®を取り入れてみてはいかがでしょうか。

空調服®の涼しさに関するよくある質問

空調服®の涼しさに関するよくある質問をご紹介します。

空調服®は本当に涼しいの?

人は、体温が上昇すると汗をかき、汗が蒸発する際の気化熱が体温を下げる働きをします。
空調服®の着用・稼働時は、取り込んだ外気を体の表面に循環しながら汗を気化させ体を冷やすため、エアコンのない屋外でも比較的涼しく快適に過ごせるようになります。
汗をかく量も大幅に減少するため、熱中症対策にもなるでしょう。

空調服®を着ても涼しいと感じない原因は?

空調服®を着ても涼しいと感じない原因は以下の5つが挙げられます。

  • 空調服®のサイズに余裕がない
  • 空気が外に漏れている
  • 空気の流れが妨げられている
  • 汗をかいていない
  • ファン・バッテリーが劣化している

空調服®をより涼しく着る方法は?

空調服®をより涼しく着る方法は以下の3つが挙げられます。

  • コンプレッションウェアを着用する
  • インナースペーサーを使う
  • 保冷剤を使う